(最近の動向 2010年7月)
中国で日本の小売業・飲食業の出店が加速している。ローソンは中国内陸部への店舗展開を始めた。すかいらーくも上海に1号店を出店する。中国企業の傘下に入ったレナウンは10年後に2千店以上の店舗展開を目指すという。
同時に、日本も中国人の富裕層の旅行客の呼び込みに積極的に動き出した。政府は中国人向けに個人観光査証(ビザ)の発給条件を大幅に緩和したし、観光庁は中国人旅行客の拡大のために銀聯カードの加盟店を増やすことを中国銀聯側に約束した。
当社への相談案件も、上記の動き合わせた相談内容が増えている。中国の富裕層向けに高級マンションを販売できないか、富裕層向けに人間ドックをセットにしたパック旅行の営業活動を行いたい、日本の高級和菓子が中国の富裕層向けに売れる可能性はあるか、中国で富裕層向けの老人ホームは成り立つかなどなど、時流に合わせた相談案件が増えている。その他、日本料理店や寿司店やバーやレストランなどの新規開業の相談案件も相変わらず多い。
(大連の人口)
戸籍登録人口558万人。前年比3.32万人増。農業人口270万人。非農業人口288万人。就職者85万人。個人経営者107万人。農村労働力122万人。第一次産業74万人。
(2002年統計)
(大連の最近の投資状況)
2006年1〜9月までの貿易額は176.6億ドルで昨年同期に比べ約30%増加。外資導入額については、新たに認可した外資企業は775社(うち日本企業226社)。香港は不動産業、韓国は縫製業、日本は電気、機械などの製造業への投資が多いのが特徴。
大連では日系企業が成功している例が多いが、理由として@現地任せにせず、日本人スタッフを総経理等の責任者として工場に派遣し、規則正しく、秩序よく管理していること A小さく生んで大きく育てるという発想のもと、頻繁に増資を行っていること(中には7〜8回もの増資を行っている大手企業もある)などが挙げられるという。
また、大連が日本企業の投資先として適している理由として@文化的に似ており、生活上の違和感がないことA日本人学校、日系銀行など生活に必要な環境が整っていることB日本語を話す人材が豊富に集まっていること。C法令の整備が進んでいること。などが挙げられるとのことである。
(大連の物価)
○家賃 (賃貸住宅)・・・1LDKタイプ月額2000元〜、2LDKタイプ月額3,000元〜。 日本人などの外国人が住むマンションは、中国人が住むマンション・アパートに比べると若干割高になります。しかし、セキュリティ面を考えるとやはり外国人向けのマンションの方が安心です。
(事務所)・・・75u(実効53u)月額2500元〜5000元程度。
事務所はピンからキリまでで、ホテル内の事務所が一番高く、事務所ビルから雑居ビルになると段々と安くなります。
○人件費
事務系の場合、学歴・年齢・日本語能力・技術力・経験等によって月給1,500元〜3,000元程度です。
※日本語2級程度(日常会話レベル)の20歳代の女性で月給2,000元前後です。
○食費
ある程度自炊するつもりなら毎日ご馳走を食べても1ヶ月2,000元以内で済みます。(※一般的な中国人の食費は3人家族で1ヶ月600元〜1,000元程度です。) 外食した場合はピンからキリまでで、日本人がよく行くレストランで1食20元〜150元の範囲内です。日本の食材や調味料などは勝利広場近くのマイカルで大体揃います。
○日本式クラブ
セット料金100元、青島ビール20元、シーバス500元。これが標準的な料金です。ボトルをキープすると全部で700元前後掛かります。ボトルがあれば120元〜300元程度です。店によってミネラルウォーター代や氷代や個室代など、取ったり取らなかったりで多少違います。
※日本式クラブの殆どがシーバスをメインボトルにしていますが、中国ではシーバスの偽物が大量に出回っていて、味が良くない上に、体にも悪いという噂がありますから飲み過ぎにはご注意ください。
○その他
タクシー初乗り8元。全身マッサージ120分100元〜。ゴルフ代900元(ビジター・平日)・1200元(土日祝)、ボーリング平日1ゲーム15元〜・土日1ゲーム18元〜。
(言葉)
大連には日本語が話せる中国人が実に大勢います。何気なく入ったレストランで、女性店員に「日本人ですか? 私、今日本語を勉強しています」と話しかけられたりします。私の回りの中国人は全員日本語が上手ですから、逆に私の中国語の勉強が一向に捗らない状態です。
(大連の気候)
大連の冬はかなり寒く、風が吹くと気温が一気に5度位下がる感じがします。外にいると耳が千切れそうな寒さです。しかし、大抵のアパートは温水配管の暖房設備が整っていて快適な暖かさです。夏は暑い期間が短く過ごしやすいと思います。雨は少なく、空気は幾らか乾燥気味です。
(大連の治安)
大連の治安に関しては日本の都市と殆ど変わりません。深夜に一人で街を歩いても市街地にいる限り物騒な経験をすることはまずありません。ただ、スリは非常に多いと聞きます。財布はもちろんのこと、携帯電話をスラれたという話をよく耳にします。中国では携帯電話は高額でしかも転売できますからスリに狙われやすいということです。
(定住)
大連に定住しようと思えば「外国人就業証」の発給を受けなければなりません。そのためには大連の会社に就職するか、自分の会社を設立する必要があります。そして、「外国人居留証」の発給を受ければ、あとは毎年更新するだけで半永久的に滞在が可能です。
◎大連で新規に事業を始められる方へ
当初、私は大連へ来て1年間で何度も騙される痛い思いを経験しました。法律や商習慣の違いよりも、もっとも理解が難しかったのは
商道徳(モラル)の違いでした。日本でなら人を騙すのは詐欺師と相場が決まっていますが、中国では普通の人たちが平気で人を騙すようなことをやります。「騙した騙された」という結果になった場合、「騙された方が馬鹿」というのが中国では常識です。
あなたがもしも「それはたまたま悪い中国人に当たっただけ」と考えられるなら、きっとあなたも痛い想いを経験することでしょう。何故なら、私が出会った中国人たちは、ほとんどが普通の人々だったからです。
では何故、日本人と中国人ではそのように商道徳(モラル)が違うのでしょうか? 大連へ来て3年経ってやっと見えて来たことがあります。それは、日本人と中国人では
「社会性」ということについての考え方が違うということです。このことを説明するのは簡単ではありませんのでここには書きませんが、これが分かるようになってやっと私は日本人と中国人の
考え方の物差しの違いが理解できるようになりました。
例えば、勝利広場の地下街で買い物をする場合、あなたが日本人と分かれば、店員は3倍から5倍の値段を吹っ掛けて来るはずです。あなたはそれを3分の1から5分の1に値切ることができますか?このような値段の吹っ掛け方は何も勝利広場の地下街に限ったことではありません。普通の企業との商談でもいつでも起こり得ることです。
中国で新規に事業を始められる方は、くれぐれも人柄だけで相手を信用するような取引はしないことです。「騙された方が馬鹿」にならないためには、確かな根拠も無しに簡単に相手を信用しないことです。それが中国ルールです。
◎中国人人脈について
中国に足掛かりを作ろうと思うと、まず中国人通訳を見付けることから始めるのが普通です。そして、その中国人通訳が紹介してくれた企業家や役人を人脈と考えがちです。しかし、中国人の側から見た場合に、あなたがどのように見えているかを考えたことはあるでしょうか? 多くの場合は、あなたは単なる金脈か金蔓程度にしか見えていない筈です。
大連で頑張っている多くの日本人が、何年も掛かってやっと信頼できる中国人人脈を作り上げている現実を見れば、本物の中国人人脈を見付けることは容易ではないことが分かります。そして、たまたま知り合った中国人を安易に人脈と思い込んでしまったケースでは、高い確率で失敗する結果に終わっています。
◎家族主義的経営について
日本人は往々にして日本式の家族主義的経営を中国にも持ち込もうとする傾向が見られます。しかし、中国人にとって「家族」とは、あくまでも血縁関係にある者のことであり、日本人が想像する以上に血縁関係の有無を重要視します。日本人経営者が家族主義的経営で中国人社員との信頼関係を高めようと思っても、中国人社員の受け止め方は日本人経営者が期待するよりもずっとドライです。
中国人経営者の場合なら、たとえ遠い親戚であっても、実際に血縁関係にある者を呼び寄せて、重要なポストに就かせます。また、呼び寄せられた者も殆どの場合は信頼を裏切ったりしません。それが中国流のやり方です。
◎コンサルタントの選び方について
料金の高い安いだけで選ぶ方法もあります。しかし、事業が成功するかどうかに比べれば、料金の高い安いは僅かな違いです。そして相談に乗るのは人ですから、コンサルタント会社の担当者が有能で親切かどうかが最も重要なポイントになります。
また、よく聞く話として、大連在住の知人(日本人でも中国人でも)のアドバイスに従って事業を始めて失敗するケースです。この場合もその知人を一種のコンサルタントと考えれば、不適切なコンサルタントを選んで失敗したことになります。
◎会社設立と事業内容について
中国では会社設立と事業内容は不可分です。日本のように定款に書き込んでおけば複数の事業内容が可能という訳ではありません。ですから、会社設立時に事業内容を絞り込む必要があります。また、事業内容によって最低資本金が変わってきますので、複数の事業内容を含めようとすると資本金の積み増しが必要になります。