大連で初めて事業をされる皆様へ
中国ビジネスのポイント
 

 中国ビジネスの難しさは中国人の計算や考え方が日本人とはとても違うというところに最大の理由があります。そして、中国ビジネスに慣れていない日本人にはその違いがピンと来ません。もしも、言葉と法律の違いだけなら、今までに騙されたり失敗したりする日本人や日本企業はもっとずっと少なかったに違いありません。ところが、日本人と中国人は似たような顔付きにもかかわらず、頭の中身はかなり違います。そのことが普通の日本人には仲々理解ができません。その結果、日本人が騙されたり失敗したりするケースが増えることになります。
 例えば、日中合弁会社を設立して、数年後に会社を乗っ取られてしまったようなケースでは、合弁契約を結ぶ時点で中国側がそのような条項を契約に盛り込んでいることに、日本側がまったく気が付いていないことに原因があります。日本側は中国企業と力を合わせて利益を上げようと未来志向で考えます。しかし、中国側は日本側の出資分を自分たちの物にしてとりあえずの利益を上げようと目先で考えます。日本側に中国語の契約書を読み解く能力があればそれに気付くでしょうが、大抵の日本人は契約時に中国側がそのような駆け引きをして来るとは夢にも思っていません。何故なら、それは日本人の常識では考えられないことだからです。しかし、そのような駆け引きは中国人にとっては至って当たり前の普通の駆け引きです。ですから、後から相手を詐欺呼ばわりしてみても始まらないということです。
 もう一つ例を挙げれば、真面目な中国人研修生に店舗や工場を任せて、しばらく経って気が付いたら従業員が全員研修生の身内で固められていたというケースです。当然、事業的に上手く行く筈はなく、研修生の一族郎党に食いつぶされて終わりという結果になります。中国では一族内のルール(掟)は、時には道徳や法律よりも強い力を持ちます。たとえば叔父さんや叔母さんから「私の息子(娘)を使って!」と頼まれたら、研修生がたとえ善良な人物だったとしても、叔父さんや叔母さんの頼みを断るのは簡単ではありません。このようなケースでは「郷に入れば郷に従え」という言葉の意味を深く考えなかった日本側のミスと言えます。中国人研修生が中国へ帰れば、彼らが従うのは当然中国のルールです。中国のルールを知らずに中国人研修生を一方的に信頼することはリスクがあることを承知しておくべきです。
 最後に少し卑近な例を挙げます。大連には100軒近い日本式クラブがあり、そこに勤めるホステス嬢は総勢で数千人に及びます。中には故郷の両親に仕送りをするためにホステスをやっている健気な女性たちも居ます。しかし、大半は若い内に大金を稼ごうとする拝金主義の女性たちです。彼女たちは金のためなら何でもやります。彼女たちにとって観光や仕事で来る日本人はいいカモです。彼女たちにねだられてどれだけの日本人が居酒屋などを出して失敗していることか・・・。彼女たち(特に20代の若い女性たち)には最初から居酒屋などを経営してコツコツと儲けようなどという気持ちはありません。頭の中にあるのは日本人の男からどれだけの金を引っ張り出せるかという計算だけです。ホステス嬢の色気に惑わされて冷静な判断力を失ってしまう日本人男性が多いことには正直呆れます。どんなに若くても、どんなに可愛くても、目先の利益については中国人の計算は日本人よりも何倍もシタタカです。
 このような日本人と中国人の計算や考え方の違いは、あらゆるビジネスの場面で表面化します。高い勉強代を支払わないで済ますためには、中国人の計算や考え方を、日本人との違いを、しっかりと理解して掛かる必要があります。

「中国人は宇宙人と思って交渉せよ!」
中国のビジネス習慣は日本とは大きく異なりますが、日本人と中国人は見かけ上似ており「同文同種」の関係にあるから、無意識のうちに両者は類似するものとして錯覚してしまうことがあります。全てを中国式に合わせる必要はありませんが、少なくとも習慣の違いを知っておくことは必須でしょう。極端な話ですが、中国との経験のない企業に対しては、「中国人は宇宙人と思って交渉せよ!」と助言しています。(2011/10/24 サーチナニュース)

 
 


優秀な中国人
 

 日本人経営者の口から、優秀な中国人に現地法人を任せたいという言葉を聞くことがあります。確かに、人口の割合から言えば中国には日本の14倍の優秀な人物が居ることになります。多分このことについては疑問の余地はないと思います。しかし、ここで問題なのは、果たして日本企業が本当に優秀な中国人を使いこなすことができるかどうかです。
 上の欄で真面目な中国人研修生について書きましたが、ここでは優秀な中国人に現地法人を任せた場合について書きます。
 現地法人を任せた中国人は本当に優秀らしく、毎月のように日本本社に業績が伸びているという報告を送ってきます。日本本社は安心して彼に現地法人の経営を任せ続けます。しかし、幾ら待っても利益が増えているという報告が届きません。日本本社が理由を問い合わせると、日本との税法や商習慣の違いを並べ立てて、利益については少し長い目で見て欲しいという回答を送って来ます。税法や商習慣の違いを持ち出されると、日本本社としてはそれ以上突っ込んで問い合わせることができません。そして、数年経ってから詳しい調査を行ってみると、現地法人を任せた中国人は巧妙な方法で幹部社員で利益を分配する仕組みを作り上げていたことが判明します。
 もしも、このような事態に至った場合、日本本社としてどのような対応策があるでしょうか。幹部社員を全員解雇して、一からやり直す? 実行できたとしても、労働法の問題を解決するだけで相当な時間とコストが掛かります。業務上横領か特別背任罪で訴える?(中国にそのような法律があればですが・・・) いずれにしても厄介なトラブルを抱え込むことになることだけは間違いありません。第一、その間顧客に対してはどのように対処するのでしょうか。
 中国には優秀な中国人は大勢います。そして、真面目な研修生もしかりです。しかし、日本人経営者が彼らを日本からコントロールできると思い込んでいるところに大きな間違いがあります。

 
 


中国人人脈
 

 中国に足掛かりを作ろうと思うと、中国在住の知人に相談するか、中国人の通訳を見付けることから始めます。そして、その知人や通訳が紹介してくれた人物を人脈と考えがちです。しかし、中国人の側から見た場合に、あなたがどのように見えているかを考えたことはあるでしょうか? 多くの場合、あなたは単なる金脈か金蔓程度にしか見えていない筈です。
 大連で頑張っている多くの日本人が、何年何十年も掛かってやっと信頼できる中国人人脈を作り上げている現実を見れば、本物の中国人人脈を見付けることは容易ではないことが分かります。そして、たまたま紹介された中国人を安易に人脈と思い込んでしまったケースでは、高い確率で失敗する結果に終わっています。

 
 


会社設立と事業内容
 

 中国では会社設立と事業内容は不可分です。日本のように定款に書き込んでおけば複数の事業内容が可能という訳ではありません。ですから、会社設立時に事業内容を絞り込む必要があります。また、事業内容によって最低資本金が変わってきますので、複数の事業内容を含めようとすると資本金の積み増しが必要になります。

 
 


店舗物件
 

 現在、大連で好立地の空店舗物件を探すのはとても困難な状態です。まず、不動産業者が店舗物件情報を余り持っていません。理由として、店舗物件はマンション物件に比べると効率が悪く扱いたがらないためです。また、好立地の店舗物件は足が早くてすぐに塞がってしまうという事情もあります。もう一つ大きな理由として、大手デベロッパーが運営するデパートやショッピングモールの場合、人脈を通じて募集するだけで入居希望者が殺到するため、情報が一般にオープンにならないということがあります。その上、飲食店の出店場所が法律で厳しく規制されるようになり、店舗物件の絶対数が減っているという事情もあります。飲食店は住宅棟の一階では新規の飲食店の営業許可が下りなくなっています。ビル内の物件でも消防局や環境局の審査が一段と厳しくなっていて、店舗は完成したのに営業許可が下りないという事態が起きています。物販店についても、有名どころのデパートやショッピングモールは入店審査が厳しく、大連で実績のない日本人が出店できる可能性は殆どゼロです。しかし、そこは中国ですから、何がしかの金を使って、しかるべき人脈を通せば何とかなる場合もあります。

 
 


現地コンサルタント
 

 コンサルタント会社の場合は、その会社の陣容や実績等である程度判断ができます。自営業や駐在員などの知人に相談する場合は、その人物の専門分野と経験がポイントになります。また、相手が中国人の場合は、余程長い付き合いでない限り、やめたほうが無難です。何故なら、中国人の能力や人柄を見極めるのは日本人にとって簡単ではありません。そして、会社の看板を揚げずにコンサルタントを自称している人物や、飲食店などを自営しながらコンサルタントまがいの仕事をしている人物たちは除外すべきです。何故なら、この手の人物たちの良い評判を聞いたことがありません。
 もう一つ、色々な人の意見を聞くのは良いとしても、余りに多くの意見を聞きすぎると、何が正しいか分からなくなります。信頼できそうな人物が見付かったら、コンサルタントを一本化するのが賢明と思います。
 結局、相談に乗るのは人ですから、コンサルタント会社の担当者が有能で親切かどうかが最も重要なポイントになります。

 
 


当社の方針
 

 当社では、まずお客様の事業計画を詳しく伺うことから始めます。その上で、難しい場合は難しいとお答えします。最近「100平米程度の店舗で、中国人富裕層を対象に、高級な寿司店を開業したい」というご相談を受けました。このご相談に対して、「それは無理です!」とその場でお答えしました。何故なら「100平米程度の店舗」という条件と「中国人富裕層を対象」という条件は矛盾するからです。「100平米程度の店舗」ならば日本人をターゲットにするべきで、「中国人富裕層を対象」ならば最低でも300平米以上の中・大型店にするべきなのです。
 結局、このお客様は大連での開業を諦めて、韓国のソウルで開業されることになりましたが、それはそれで良かったと考えています。
 当社では「お客様が失敗しないこと!」を最優先に考えます。失敗さえしなければ、いずれ成功のチャンスがやって来ると信じるからです。