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中国ビジネスのポイント
 

 GDP世界第二位になった中国市場を日本企業は最早避けて通ることはできません。特に、国内市場で頭打ちになっている日本企業は中国市場に足掛りを作るべき時期に来ていると思います。しかし、今までに多くの日本企業が失敗していることも事実です。成功するためには、過去の日本企業の失敗に学び、同じ轍を踏まないように細心の注意を払って準備を進めることです。

●下記に想定Q&Aを掲載いたします。
Q:中国へ進出する時にコンサルタント会社に相談されましたか?
A:いいえ。日本で知り合った日本での滞在経験が長い中国人に相談しました。
Q:それなら問題はなかったのではないですか?
A:あとで分かった話ですが、どうやらその中国人Aと合弁先の社長Bは、早い段階から私に出資をさせておいて、会社が軌道に乗ったところで私を追い出す話をしていたようです。現に、今では中国人Aは合弁会社の役員に収まって日本側の責任者をしています。
Q:中国人A氏とB氏に騙されたということですか?
A:まあ、そういうことになりますね。説明すると、中国側が工場建物と機械設備を現物出資として六を出し、私が現金出資で四の1000万円を出しました。董事会は中国側が三名でこちら側が二名です。最初は私が総経理として会社の経営をしていました。しかし、そろそろ事業が軌道に乗り出した三年目になって、中国側が総経理を交代でやるようにしたいと言い出して、董事会で強引に決定してしまったのです。しかし、交代でやるというのは嘘で、その後私は完全に会社の経営から締め出されてしまいました。後日、信頼できる弁護士に相談したところ、中国側のやったことはまったく合法的で手の打ちようがないということでした。

 10年以上前に中国へ進出して失敗された日本企業は、このようなケース又は類似ケースが非常に多いようです。当時は合弁でしか会社設立ができなかった業種が沢山あったことがその背景にあります。しかし、この失敗事例から教訓を読み取ることができます。まず、中国人A氏もB氏も普通の中国人だということです。日本の3K職場で真面目に働く中国人研修生や日本社会に完全に適応している優秀な中国人社員、観光で知り合った愛想の良い中国人ガイド、メモを取りながら通訳をしてくれる有能な中国人通訳、A氏もB氏もあなたが良く知っているこれらの中国人と本質的に何も変らない、普段はまったく善良と言ってよい普通の中国人だということです。
 台湾出身の邱永漢氏は「中国人と日本人 (中公文庫) 」という本の中で、日本人は職人的で中国人は商人的であると書いています。この商人的という言葉は「利に聡い」「損得勘定で動く」「目先の利益に敏感」などの言葉に置き換えてもさほど間違いではないと思います。そして、その場合日本人が好む「信用」や「信頼」は殆ど無視されます。日本での生活経験が長い中国人でさえ、土俵が中国に変われば途端に商人的な中国人に変身します。このような商人的な中国人に対して、日本人は簡単に「信用」とか「信頼」とかいう言葉で考えないことです。中国人は中国という土俵の上では、決して「信用」や「信頼」でビジネスをしません。


 結論として重要なことは
中国ビジネスに精通した信頼できる日系コンサルタント会社に相談することです。そして、その相談の場に日本語が上手な中国人のビジネスパートナーや現地法人を任せる予定の中国人社員を同席させないことです。日本人にとって仲々受け入れ難い考え方ですが、ギリギリの土壇場まで騙される可能性があることを心に留めながら慎重に準備を進めることです。

 
 


失敗しないためのキーワード
 

  最も重要と考えるキーワードは「保険を掛ける」です。ビジネスを信頼関係で進めたいと考えるのは日本人特有の考え方です。中国人はあくまでも利害関係としか考えません。特に、相手の中国人が日本語が上手だったりすると、日本人はついつい信頼関係でビジネスを進められると錯覚し勝ちです。しかし、中国人にとってはビジネスはあくまでも利害関係であり、状況が変われば「信頼を裏切る」ことを平気でやります。この場合も「裏切り」と考えるのは日本人側だけであって、中国人側はより利益の多い方を取ったまでとしか考えせん。ここに大きな意識のギャップがあります。
 中国人のビジネスパートナーも、社内の真面目な中国人スタッフも、現地採用の優秀な中国人社員も、彼らの行動の基準はあくまでも利害です。利害関係が変われば、中国人が手の平を返すことはいつでも有り得ることです。
 では、どうしたら良いのか? 「保険を掛ける」です。裏切られないための保険、裏切られた時のための保険、常に最悪の事態を想定して「保険」を掛けて置くという発想が、中国へ進出する日本人・日本企業には不可欠です。このことについては色々な場面で色々な考え方ができると思いますが、「保険を掛ける」ことについて知恵を絞ることが大切です。

 
 


中国ビジネストラブル解決サポート
 

 2004年時点で1万9779社あった中国内で登記されている日系企業数は、10年前の1994年の2倍以上に増えています。一方で、累積認可総数を登録企業数で除した「進出企業の継続率」は62.1%と、これまでに4割近くの日系企業が撤退していることが分かります。

○行政許認可トラブル
 公安、消防、環境、税務等の権限の強い監督官庁に睨まれると多額の罰金を言い渡されたり、時には営業許可を取り消されたりすることがあります。
○人事労務トラブル
 中国人の購買担当者が取引先からリベートを取るのは日常茶飯です。会計責任者が会社の資金を運用して株式投資をしていたりするケースもあると聞きます。労働者の権利意識も非常に高まって来ていて、多くの日系企業が様々な人事労務トラブルを抱えています。
○合弁・提携トラブル
 会社を乗っ取られてしまったり、特許や最新設備や技術ノウハウを盗られてしまうケースが相変わらず後を絶ちません。
○代金回収トラブル
 中国企業には会社の信用に傷が付くという発想がありません。中国企業との取引で約40%が債務不履行になっているというデータがあります。
○撤退手続き
 中国での撤退手続きは非常に煩雑です。契約期間の終了前に撤収すれば工場敷地を提供した地元政府への違約金や、免除されていた税金を進出時にさかのぼって要求されることがあります。また、労働組合との交渉も一筋縄では行きません。

 中国はルールが有って無い国ですから、難しい問題は結局人治に依って解決するしかありません。そこで必要になって来るのが人脈です。その場合、どちら側の人脈が優位かで決まりますから、余程上位の人脈でなければ役に立ちません。
 

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◎日本人コンサルタントは必要か?
 

  中国ビジネスでは日本での成功体験が殆ど役に立ちません。何故なら、人々の考え方が余りにも違い過ぎるからです。日本人はルールが有るなら守ると考えます。しかし中国人は、ルールがあっても、自分だけはルールをすり抜けて上手く立ち回ることを考えます。そのような能力こそが有能さの証明と考えます。反対に、ルールをルール通りに守るしか能のない人間(大半の日本人)を彼らは内心馬鹿にします。この考え方の違いが日本人と中国人の決定的な違いです。そして、この考え方の違いがどのような場面でどのような形で表面化するかは、中国人の思考方法に精通していなければ予測することは困難です。
 多くの日本人は、自分で見付けて来た中国人を人材人脈と思いたがる傾向があります。そして過度に信頼し過ぎて、自ら手をひねられる結果を招いているように見えます。中国進出を試みるほどの人物なら、当然自分の能力に自信がある人々と思います。しかし、いくら能力があっても、日本では考えられない落とし穴を予測することは100%不可能です。第一、あなたが見付けて来た中国人こそが最大のリスクですと言われたらあなたは信じるでしょうか? そうです、中国では信じられないことがいっぱい起きます。法律や商習慣より前に、中国では人間こそが最大のリスクなのです。それを実感として理解できないうちは、あなたは中国ビジネスに於いてアマチュアであると言わざるを得ません。
 痛い想いをしてから分かるよりも、少なくとも最初の一年位は、中国ビジネスに精通した日本人コンサルタントのアドバイスを受けるべきと思います。何処にどのような落とし穴があり、どのようなリスクがあるかを的確にアドバイスできるのは、中国人の思考方法に精通している日本人コンサルタントだけです。そこに日本人コンサルタントの必要性があり、存在意義が有ります。